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『仮面山荘殺人事件』感想:純粋であったが故の楽しみ。純粋であったが故の罪。そして純粋なる愛。(ネタバレっぽいヒントあり)

今回は東野圭吾さんの初期作『仮面山荘殺人事件』です。

まず

個人的オススメ度は☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9/10☆)
個人的満足度は☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9/10☆)

です。かなり高めの、甘めの点数になっています。

本作の上梓は1990年。東野圭吾さんの作品群にあっては初期作にあたるかと思います。
内容は題名の通り、館(山荘、屋敷)もののクローズド・サークル・ミステリです。

本作の主人公である樫間高之は、若くして映像制作会社を経営している実業家であり、しかもその会社は、近年「成功」した部類に入る業績をあげていました。その「成功」した要因の1つが、大企業・森崎製薬とのコネクションでした。

高之は2年前にある自動車事故に巻き込まれ被害者の立場になるのですが、その際の加害者側の人物が、森崎製薬社長・森崎伸彦とその妻・厚子の娘、森崎朋美(当時21歳)だったのです。
朋美はその事故の結果、左足首から先を失い、念願が叶いつつあったバレリーナとしての夢を失ってしまいます。自棄になった彼女は病室で自殺未遂に及ぶのですが、たまたま高之が見舞いに来ていたため、一命をとりとめることになるのです。
この件で高之は森崎社長夫妻から大きな信頼を得ただけでなく、朋美とも親しくなっていくきっかけを掴みます。
高之は見舞いを通じて、夢を失った朋美を励まし、小さな体で懸命にリハビリを頑張る彼女を美しいと感じるようになります。程なくして二人は純粋に愛し合うようになり婚約するに至るのですが、結婚式の4日前、朋美が運転していた車が崖下に転落し、彼女は亡くなってしまうのです。

警察は目撃者の証言や現場の状況から「事故」と断定しました・・・。

それから三ヶ月後、高之は森崎社長から例年行われているという「別荘での避暑」を一緒に過ごさないかとの誘いを受けます。朋美が亡くなったとはいえ、森崎夫妻は高之を本当の娘婿のように扱ってくれていたのでした。また、高之としてもバックに付いてくれている森崎製薬社長の誘いを断る理由はありませんでした。

こうして高之に森崎一家、森崎家の親類の篠一家、そして森崎社長の秘書に主治医など、計8名の男女が森崎家所有の別荘に集まり、朋美の追悼も兼ねた懇親会を催していたのですが、そこに突如逃亡中の銀行強盗犯たちが押し入ってきたのです。8人は軟禁状態に置かれて、山荘はクローズド・サークルと化してしまいます。

脱出や外部への連絡の試みはことごとく失敗に終わり、恐怖と緊張が極限に押し迫る中、8人にとって更なる悲劇が起こります。軟禁されていた8人の内の1人が他殺体となって発見されるのです。しかも現場の状況は、強盗犯らの犯行とは到底考えられないものでした・・・。

この中に殺人犯がいる・・・そう確信した7人の男女は次第に疑心暗鬼を募らせ、パニックへと陥っていくのですが・・・


文庫本にして300ページ弱、文体も東野圭吾さんらしく非常に読みやすいものになっているため、本格ものが好きな方でしたら一夜にして読み終えてしまう作品かと思います。
その点も含めて、長編である『秘密』や『白夜行』などを読んで東野ファンになったという方に、「こんなお話も書いてるんだよー」と個人的にオススメしたい作品でもあります。
そして「大どんでん返し」が好きな方にも、是非!という内容となっています。

ところで個人的満足度が9☆な件ですが、自分が本作を手に取ったのはちょうど3年近く前・・・まだあまり活字に慣れていなかった頃であったため、ほとんど先入観を持たずに純粋に楽しむことが出来たためです。
私はすっかり騙され、「なるほどー」と思ってしまいました。
今読むと・・・もしかするとトリックに気が付いてしまう可能性がありますので、そうなるともう少し満足度が下がるかもしれません。

ちなみに本作を読んでいて、なんか変な雰囲気といいますか、「違和感」を感じられた方は鋭いと思います。
その「違和感」は、この作品に仕掛けられたトリックの大きなヒントになってますので・・・。

あと、森崎朋美さんと篠雪絵さんについてどのような印象を抱くかでも、本作の感想は変わってくるかと思います。


東野圭吾『仮面山荘殺人事件』

個人的オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9/10☆)
個人的満足度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9/10☆)

ちなみに私は「雪絵さん、そりゃダメだよ・・・」という感想を持ちました・・・。

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