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『同級生』感想:幻想的少女の献身

※この記事は昨年書かれたものを加筆修正したものです。

東野圭吾さんが本を読むようになったきっかけとなる本『アルキメデスは手を汚さない』の感想と関連して、この作品の感想を。

まず最初に本作の個人的満足度など・・・。

個人的オススメ度は☆☆☆☆☆☆☆☆★(8.5/10☆)
個人的満足度は☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9/10☆)

です。

『アルキメデスは手を汚さない』を読んでいて浮かんだのは、同じ学園を舞台とした青春ミステリの『放課後』と、この『同級生』でした。
どちらも好きな作品ですが、どっちか一つと言われれば、迷わず『同級生』を。
そして『アルキメデスは手を汚さない』を読んでる際に強く浮かんだのも『同級生』でした。

『同級生』は『アルキメデスは手を汚さない』と同様、ある女子高生-野球部のマネージャーだった宮前由希子-の死から物語が始まります。そしてまた『アルキメデス~』と同様、その亡くなった少女は妊娠していたのです。

主人公で野球部のキャプテンである西原荘一は、宮前由希子が妊娠していた事実を知ると、そのお腹の子が自分の子であることを確信し、そしてそれを公表します。
さらに宮前由希子の死に疑問が生じると、それを解決すべく動き、ある教師が怪しいと思うに至って、衆目の中でそれを追求するのです・・・が、後日その教師が絞殺体となって発見されることで、逆に荘一に教師殺害の疑惑の目が向けられることになってしまうのです・・・。

誰が犯人か?
そしてトリックは?・・・という謎と同時に、本作品の大きな魅力となっているのが、青春ミステリの肝、高校生らの心情とその人間関係です。
あるトリックを解くことで世界観が裏返るようなことがあるように、本作でもすべての謎が解けたとき、おそらく読者は主人公を始めとした登場人物への印象が変わってくるのではないでしょうか?
少なくとも自分はそうでした。

自分は『同級生』の登場人物が好きであり、だからこそ東野圭吾さんの作品の中でも特に好きなものの一つとなっています。
特に物語のキーとなる水村緋絽子には「萌え」ました。
けれど彼女、いかにも男性がイメージとして抱きそうな都合のいい女性(少女)像という感じで(だからこそ自分は萌えたのですが)、現実感に乏しい感じは否めません。
男性の、男の幻想が生み出した少女って感じがするのですよね。ま、現実感に乏しいから、何となく謎めいて神秘的に感じたのも事実ですが。

この水村緋絽子と主人公の西原荘一に対してどのような印象を抱くかで、本作の感想はかなり変わってくると思います。


ちなみに本作、教職に就いておられる方は読むと嫌な気分になるかもしれません。
その理由は東野圭吾さん自身による後書きで・・・。

後書きは東野圭吾ファンなら必見だと思います。

『同級生』

個人的オススメ度:☆☆☆☆☆☆☆☆★(8.5/10☆)
個人的満足度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9/10)

同級生 (講談社文庫) Book 同級生 (講談社文庫)

著者:東野 圭吾
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