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『秒速5センチメートル』と『時かけ』(6)ネタバレあり

5の続き)午前中部屋の掃除をしていたら、昔もらった手紙が出てきて、思わずゴミとして出すために積み上げていた本の上に座り込む。
それを見ながら、ついふと笑って、切なくなったりする。そして出る、自嘲気味のため息。

「もし・・・」「あの時・・・」

って、誰にでもあるよなー。
『秒速』でも、もし、貴樹と明里があの時、あの手紙を手渡せていたのならって。

で、まあ、そういった場合での対応が、選択肢が重要なわけで。
それを回想する際の対応もまた大切なわけで。
変わらない過去から何も学び取らず、ただ妄執してても意味が無い。
だから、俺みたいに人生の経験の中で否定的思考パターンが固定化してしまってる人には、『秒速5センチメートル』は危険かも。ハマって危険かも。
過去への妄執の中にポツンとある不確かな一縷の望みを、スパッと断ち切られたよーな作品に見えてしまうかもしれないから。
これって一見いいことのようだけど、「人生の経験の中で否定的思考パターンが固定化してしまってる人」にはとてもキケン。
↓↓な気分だから、ビョウキだから、キケン。
んだから最終話は明確に説明されてないんだろーなー。
スキマを残してる。
解釈のスキマを。

もし明確な結末が用意されていたのなら。

もし運命的な再会とハッピーエンドが用意されていたのなら、「約束」と「過去」を引き摺りながらも、このままじゃダメだと自覚して、それを断ち切ろうともがいてる男にとって、それは危険なあま~いオクスリに。
もし絶望的な再会とバッドエンドが用意されていたのなら、「約束」と「過去」を引き摺りながらも、それをたった一つの寄る辺として日々どうにか生きている男にとって、それは危険なにが~いオクスリに。

最終話の貴樹の笑顔は、吹っ切れて前へ進むことの出来るようになった顔であったり、あの頃と変わらない想いを抱いていた自分を再確認した顔であったり、あるいは、夢想してた約束の場所と現実のそれとの残酷なまでの落差に諦念を感じた顔にも見える。貴樹、この後自殺しちゃいそうだな、とか。

他愛もないストーリーながら見方はすんごく変わる興味深い作品。
DVDで何度も見るのもいいかもしんない。

だから買っちゃいましたとさ。(続く)

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